田中りんのメルマガです。みなさんこんにちは。
さていきなりですが、グリム童話をご存知ですか?
1800年代初めにグリム兄弟がドイツを中心に各地の民話を収集し編成した童話集です。
民話って、同じような話が世界中にあって、誰が作ったかわからないお話が昔々から、各地で語り継がれてきたものです。
”言葉や民族を超えて、人間の心にある普遍的なありようや本質的なものが紡ぎ出したもの”と言われてます。天から頂いたお話とも。
だから、人間の頭で考えた創作物語とはちょっと違うようです。
この話をたくさん聞いて育った子どもは自殺しないというデータもあるそうです。頭で理解できなくても魂はちゃんとわかって聴いているそうです。
ちなみに、原本に忠実な訳だと物語の本質を損なわずに書かれているようです。
グリム童話はこぐま社がオススメです。
毎日寝る前に次女に本を読み聞かせをするのですが、先日次女が読んでくれと持ってきたのがこれ。
グリム童話の”漁師とおかみさんの話”
読んでて、震えるほど面白かったです(笑)
なんせ、前回の記事の内容そのままだったから!
あの記事あげた次の日の出来事だったので笑いました。
お話の内容は、、、
浜辺の小便壺のような小屋に住む漁師の夫婦。釣り三昧の漁師がある日、物言うヒラメを釣り上げ海に戻してやったことから、、。
(小便壺って!?笑)
おかみさんがそのヒラメに願い事をすればよかったのに!と言って、嫌がる漁師に「小さな家が一軒欲しい」と言ってこい!と言われ渋々ヒラメを呼び出し、ヒラメは望み通りこぎれいな家を出してくれます。
子どもがニコニコ、ああよかったね〜って笑ってるのはここまで。
そのうち、御殿に住みたい、王様に、皇帝に、法王になりない、とおかみさんの要望はエスカレート。
「よくないよ、真っ当じゃないよ」と言いつつ弱い亭主は逆らえず、何度もヒラメのところへ行って望みを叶えてもらう。
ここら辺から、子どもがソワソワし始めます。
もうそれ以上言ったらだめなんではないか、、、。
なんで漁師はおかみさんの言うこと聞いちゃうの?
(その通り!しかし夫婦とやらは色々あるのでございます)
おかみさんの欲望に対応して、最初透き通っていた海がどんどん色を変え、しまいには真っ黒い嵐になります。
このどす黒い海を背景に、おかみさんはますます宝飾品でキンキラに光り輝き、高い玉座の上にいて、、、。
最後は、なんとおかみさん「神様みたいになりたい」と言う。
「お月様やお日様を思う通りに操りたい!」
「それができなきゃ、片時も気が休まらないんだよ!」とのこと。
激しぶりの漁師は、この世の終わりのように荒れ狂った外へ出て、声をはりあげてヒラメを呼んでも自分の声が聞こえないくらいのイナズマの中、海に向かったのです。
それでもヒラメは望みを叶えます。
さて、おかみさんはどうなったか?
元の小便壺のような小屋に戻ってしましました。
今でも二人はそのあばら家に住んでいます。
〜完〜
人間の権力欲、物欲を鮮やかに見せてくれた衝撃の内容。
読み終わった後、次女はほっとしたように
「あの小さなお家でよかったのにね。」
「なんであんなに漁師はおかみさんにビクビクしてたの?」と。
そうなんです。子どもだってわかるんです。
おかしいなあ、って。
ある意味、子どもだからわかる、とも言えます。
だいたいからして、小便壺みたいな家って(笑)。
まずは掃除してください、、、。
この話、学ぶところいっぱいあって、
自分で掃除したら小便壺の家にはならんよね。
それに、一番最初に小さいお家にしてもらった時に、その豊かさ2週間しか味わってないのよ。
結構いいお家でしたよ〜。高級な家具や立派な畑や家畜もあって。
最後、法王になった時なんて、その晩にはもう、次には何になってやろうかと一晩中寝付けず、あくる日に神様になる!って叫んでますからね。
望みが叶ってから満足できなくなる時間がどんどん短くなっていってる。
まさに、欲はエスカレートする。
その間、漁師は何度もおかみさんに、「今のままでいいんじゃないのか?その冠よく似合ってるよ」などと、真っ当なことを言いつつ、ちゃんとおかみさんを褒めてる。そして完全に尻に敷かれてる(笑)。
男性は優しいね。そして女性が欲にまみれると本当に人の話を聞かなくなるんだなあ。だからこそ淡々とやるべきことをやって整えておかないと、簡単に欲に引っ張られてしまいます。
その横で、おかみさんのために駆けずり回ってる漁師は何をもらっても満足で、ぐっすり眠ってるって言うもの、ああ、体を使って他人のために働き、今を満足して生きてたらぐっすり眠れるんだよね〜、と納得。
そして、神様みたいになりたい、と言って最後元に戻ったとこなんて、神様は貧乏も金持ちもなんでも体験したい、ってのがよく表れてるなあと。
他にもいろいろ、身にしみすぎて、ほぼ自分への戒めとして読んでましたね(笑)。
こんな人たくさんいてるのではないかな。
気の強い強欲な漁師なら、夫婦揃ってもっととんでもないことになっているでしょうし。
欲に引っ張られないためには、
その場でいかに満足できるか、今ある環境で幸せを感じる力を発揮できるか、が一番大切ですね。
そのためには、本当に自分で自分の心身のご機嫌を淡々ととることが不可欠です。
そして、自分の環境に不快感を持ってるのであれば、身体動かして自分で整えてください。
小便壺で暮らしたくないでしょう?笑
人間って、昔々から、欲との付き合い方で長年葛藤してるんでしょうね〜。
欲も行き過ぎなければいいのですが、全ての原動力が欲になってしまうと、
取り返しがつかないですから。
本当にやりたいこととの違いは子どもでもわかるように、本当はハラの底ではわかってるはずなんです。違和感を大切に。
それに、昔と違って、もう十分物質は豊かすぎるのに、そこに気がつかないのは、本当にマヒしてしまってるなあ、とも思いました。
今日もお読みくださり、ありがとうございました。
田中りん